新譜CD「Palimpsest」リリース❣️

6月7日にリリースしたCD 『Palimpsest』❣️
の素晴らしい評価が沢山来ています。
英グラモフォン誌のレビューも来月来るそうですが....
取り急ぎ今来ている批評を紹介させて下さい!

日本でも東京エムプラスから発売されて全国のレコード店で良い感じで展開されてます!
とっても嬉しいです!感謝感激!








人生と音楽の伴侶であるマリンバの達人ミカ・ストルツマンと高名なクラリネットの巨匠リチャード・ストルツマンの共同による力強い二人三脚のアルバム「パリンプセスト」(Avie 2409) 幅広い分野のクラシック作品とコンテンポラりー モダニズムの編曲が多岐にわたり紹介され飽きさせないし、二人のアーティスト自身とその二人の間にかもし出される驚くほど豊かな音色による音楽性が際立っているという点がこのアルバムの優れたところである。

幕開けの音楽としてJ.S.バッハの編曲もの2曲「半音階的幻想曲とフーガ」が、まずクラリネットソロを、フーガではクラリネットとおよび新たに加わる胸に染みるバンドネオン(H.デル・クルトによる。後述。)を軸に展開する。

そしてバッハの「シャコンヌ」のマリンバの為の特別な版が聴かれる。フーカの主題のアイディアの軸はマリンバであり、この楽器の際立った特質である木の音色の温かさが見事に効果的に表現されている。

そのあとはラヴェルのうっとりするような作品「亡き王女のためのパヴァーヌ」へと続くが、クラリネットとマリンバによる述懐のごとく、ますます印象的に聴こえる。叙情的な華麗さが新たな生命と活気をもたらし、それが私たちにとってよい結果になっている。

そしてウィリアム・トーマス・マッキンレー(1935-2015)の音楽が登場。「モーストリー・ブルース2番、8番および12番」。これはコンテンポラリー モダンの作品であると同時にアメリカのジャズっぽい様式によって味わいが増している。

アルバムタイトルであるジョン・ゾーンの「パリンプセスト」は、運動・知覚一体となった魅力的なマリンバの鼓動と、見事なまでに広い音域で、ダイナミックなクラリネットパートからなる、とても慣用的なモダンのリズミカルな作品である。この曲はすべてのものを集中させてしまうので、単にタイトルだからということ以上にこのアルバムの象徴的な曲だ。驚異的。われわれの体験するのは4分44秒にわたる集中した華やかさである。

素敵なピアソラの2つの短い曲がアルバムを締めくくる。活気あふれるアルゼンチン モダンクラシックの作品「タンゴ 5番」。そして濃密な「フーガとミステリオ」。この曲も土くさい民族音楽の要素を持ち、バンドネオン(エクトール・デル・クルト)とベースのペドロ・ジロードがデュオに効果的に加わっている。


ミカとリチャードの高い芸術性と、マリンバとクラリネットの融合した響きに対する彼らの鋭い感覚が、この魅力的でとても価値のあるCDにおいてすべて結実している。2つの楽器およびその伝承を愛する人なら誰しも魅力を感じ、感動を覚えるだろう。この音楽は繰り返し聴く価値が充分にある。ストルツマン夫妻に賞賛と祝福を!推薦盤である。








バッハの無伴奏バイオリンの為のパルテイィータ、ニ短調の中のパルティータは編曲しても全く違和感のない曲なのだが、ミカ・ストルツマン自身による編曲は、この楽器の音楽的、感情的な領域の広さ、および彼女自身の見事な演奏を表現している。ラヴェルの亡き王女の為のパヴァーヌは、こちらも本当に沢山の編曲が存在するが、リチャード・ストルツマンによるマリンバとクラリネットの為の版は風変わりに聴こえると同時に懐かしい感じがする、言い換えれば、このような種類の曲にはちょうどふさわしいものだ。

ダリウス・ミヨーは1947年に書いたマリンバとビブラフォンの為の協奏曲という異色の作品でマリンバをクラシックの管弦楽に導入したが、レオシュ・ヤナーチェクからスティーブ・ライヒといった作曲家によってこの驚くべき楽器が室内楽や管弦楽作品に加える印象的な色彩が急速に紹介されていった。マリンバ奏者ミカ・ストルツマgfンと彼女の夫でクラリネット奏者のリチャード・ストルツマンによるこの新しいCDはさまざまな音楽のスタイルのすばらしい概要を提供してくれている(「バッハからゾーンまで」とは幅広い範囲の音楽を語るにはとてもよいやり方だ)

私にとって、このアルバムのハイライトは、タイトル名にもなっているジョン・ゾーンの曲だ。リチャード・ストルツマンはライナー・ノートでこの曲について解説している。

ミカが完全なる調性音楽を演奏し始めると、何か抽象的で、リズムの無いクラリネットが飛び込んできて、気違いじみた音域の跳躍を演奏する。まるでオーネット・コールマンが部屋に乱入してきたかのように。それはミカの演奏するパートの根底にある「古い原稿」の一定の拍子と対立し続ける。演奏するのが非常に楽しいし、聴衆にとってはサプライズなヒットだった。


ここに収められた沢山の曲には(バッハの編曲を含め)ジャズとブルースの抑揚がある。ピアソラの作品はとても自然に感じる。理由の一つにはこのアルゼンチンの巨匠が彼自身のジャズとクラシックの語法で作曲したため。もう一つは全編を通じるストルツマン夫妻とバンドネオン奏者のグルーブ感のおかげだろう。



*All Music  5スター(5星)!

この新譜には多くを期待できないかもしれない…夫婦によるアルバムというのは、演奏している当人達は確かに楽しいかもしれないが、一流のものは稀であるからだ。
バッハやピアソラといった編曲に向いた作曲家の曲にとってもマリンバとクラリネットという組み合わせには無理があるかもしれない。ストルツマン夫妻のジャズ奏者でもあるという経歴を考慮に入れると、ジャズのアルバムだと期待するかもしれないし、新しいフュージョン作品にありがちな範疇と思うかもしれない。

そういった思い込みは一切捨てよう。このアルバムは凄い。

クラリネット奏者リチャード・ストルツマンの多才ぶりはよく知られている。でも彼のファン達ですらマリンバ奏者ミカ・ストルツマンの業績を知らないかもしれない。ジャズ奏者の経歴を持つ彼女だが、自分自身が、わずかな伝統しか持たぬ楽器で魅惑的なクラシックを演奏する奏者であることをここで証明している。ジャズの面はよくこなれている。ジャズの気配は全編を通じて感じられ、特にウィリアム・トマス・マッキンリーの作品「モーストリー・ブルース」と、ジョン・ゾーンによるアルバム・タイトル「パリンプセスト」において。しかしながらそれらは所謂ジャズ・アレンジメントではない。主役たちの演奏はどちらも美しく、共感性という望ましい特質を備えている。しかし真に抜きん出ているのは編曲ものなのだ。冒頭のクロマティック・ファンタジーにおける見事なクラリネットソロから、アストール・ピアソラの曲の2つの異なるコンセプトに至るまで、ストルツマン夫妻のおかげで私たちはわくわくどきどきの連続だ。リチャード・ストルツマンはラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の心打つメロディーの演奏を披露している。

圧巻は多分「独奏バイオリンのためのパルティータ2番(BWV1004)」の中の傑作、シャコンヌの編曲版によって、微光を放つテクスチュアに込められたバッハの多声の思いを表出させたミカ・ストルツマンの想像力だろう。見事というしかない。思いがけない傑作だ。






*英語レビューの素晴らしい日本語訳は八木巧次さんです。
いつも本当に有難うございます!大感謝。


何と!8月末にはジャズワールドの新譜『TAPEREBA』もリリースされます!
お楽しみに! 


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