カーネギーリサイタル終了!



一年かけて準備したカ-ネギ--10回目のリサイタル。もとはと言えば、2年前に三カ月間かけて編曲してレコーディングしたバッハ/シャコンヌをカーネギーで演奏したくて
リサイタル開催したのです。




しかし、この難曲しかも音楽がとても深くしかも長い大曲17分をソロでしかも暗譜で演奏するなんてこれまでの人生においての最大の音楽的チャレンジでした。




それでも、いきなりNYで初演するのは怖かったので、1月頭メキシコ🇲🇽サンミゲル公演でシャコンヌ本番をやりそこでバッハをパブリック(お客様の前)で演奏するのが如何に怖いか?を初めて思い知らされたのです。

その後はメンタルトレーニングの本を読みあさり、それに忠実に従ってシャコンヌの練習に励みました。三月から既に緊張感たっぷり。毎日毎日これまでにない集中力でした。
シャコンヌの本番を経験する為に10日前にボストンでもリサイタルし、ここが一つのゴールとして励んでいたので、この時の本番で上手く行ったことが一つの安心感になりました。
             
             (写真はボストン公演)


その数日後にはAll Musicから絶賛CDレビューが届き、
何と!
私のシャコンヌ編曲、演奏が、

『圧巻は、微光を放つテクスチュアに込められたバッハの多声の思いを表出させたミカストルツマンの想像力だろう。見事というしかない。驚くべき傑作だ』と評されていたのです。
信じられませんでしたが・・大きな自信に繋がりました。神様からのお導きがあった感じですね。


さあ!よいよカ-ネギ-本番❣️


プログラム1曲目は全く心配してなかったジョンゾーンのマリンバソロ。最近一度も外した事なかった自信作なのに。。。ギリギリまでリハで切れた鍵盤の紐を変えたり調整したりしてバタバタして大急ぎでメークアップしたりした動揺が完全に出てしまい。。私的には散々....

舞台袖に戻り水を飲み...気を取り直してステージへ...


二曲目には一番大曲で一番メインで一番心配したバッハ/シャコンヌを演奏。
1曲目で上手く弾けなかった事で開き直ったのか..さほどの緊張感はあったものの、
センタリングも深呼吸もやり..いつものように


最初のDマイナーコードを弾き始めました。
演奏中の静寂は見事で自分自身でも何かわからない力が宿った感あり・・

 素晴らしい集中力.......

いつものように各場面場面では自分が想像するバッハの感情を表すことが出来て.....

 弾き終わり、最後のppDの音が消えていった瞬間顔を上げたら・・



大きな歓声が湧き・・だだぁ~とスタンディングオベーションが起こったのです。ただただ感慨無量でした



コンサート途中、しかもまだ2曲目終了時でのスタンディングオベーションなんて普通ありえないので、本当に感動してくれたのだと信じます。


前半の最後2曲はリチャードとのデュオ!ジョンゾーンとゴードン・スタウト氏から私達への書き下ろし作品を演奏。
何事もなくまあ上手くいき終了。


後半はガラッと変わり....全てグルーヴ曲。
私は衣装も、気持ちも、雰囲気全て変えて楽しく演奏!



1曲目は得意のビルダグラス作品。サンバタとジュビレーション!
この曲はどうなってもどうでも出来るので
後半の幕開けに選びました。想像してた通り終わった後は大歓声!

2曲目は委嘱初演曲でクラリス・アサド[カレイドスコープ」。
最初エディとのデュオで演奏予定でしたが、リハの時にエディが無理だと嘆いたので...
スティーヴが急遽参加してトリオで演奏。何とか完走。
しかし、とても素敵な良い曲なので弾き続けたい!

3曲目は、もう一つのメイン曲。三月末に届いたチックコリア氏書き下ろし新作「バースディソング フォーミカそれが又結構難曲でしかもグルーヴ感たっぷり。全くシャコンヌとは違うタイプの作品。この曲も暗譜して弾きたかったので、かなり集中して何度もチック本人に動画送り、アドバイスもらいながら一か月で暗譜しました。ボストンではソロで演奏しましたが、カ-ネギ-ではスティーヴとのデュオ演奏。本番前も当日朝も終わった後もチックからメッセージが沢山来ました!





ドラムとの演奏はPAなくアコ-スティックでの演奏だったので、ドラムの音に負けまいと白熱しすぎて、前日リハも本番リハも又最後の曲演奏途中3回もマリンバ鍵盤の紐が切れるハプニングがありました。(こんな事人生初めて!)





ライブ録音聴いたらマリンバの音が全くドラムに負けてなく、バランスバッチリだったので、紐が切れるはずだと超納得。エナジーを爆発?炸裂させていたようです。笑
マレットが以前より重いのも関係あると思う。






最後はチックコリア氏が2012年に書き下ろしてくれたマリカグルーヴを初演メンバーで演奏!

演奏終了後は、瞬く間に大歓声でお客様総立ち!



しかし最後の最後で又々鍵盤の紐が切れた!のでアンコールが出来ないと説明。


お客様総立ちで歓声や鳴り止まない拍手の中。。退場する私達。





今回はいつもになく十分に時間をかけて準備したのに、何とまあ。。鍵盤の紐が切れるなんて予想もつかず・・
悔しかったのか?私は舞台袖に帰るや否や大泣き!

スティーヴが「WHY YOU CRYING!と抱きしめて....
「君は僕達に大いなるインスパイアを与えてくれる素晴らしいアーティストでミュージシャンで女性で母親で..』と大きな声で叫んだ!笑



その日は眠れなかった。
嬉しくも、悲しくもなく・・満足感もなかった....
けれどずっと本番中の1曲1曲の事が頭を駆け巡っていたのです。
(音楽の質の高さや自分自身の情熱が、バッハ・シャコンヌとチックの曲には敵わないので、どうしても時間のかけ方が違って本番にも、それがクッキリと出たと思う。
次の課題はプログラム全てに同じくらい時間かけて準備すること。
その為には作品の音楽的レベルを揃えること。
プログラムの中で1曲だけ、贈呈してもらったので義理で初演した作品があり、作曲家が当日来ると思って頑張って仕上げたのに、前日になって来れないと連絡あり面食らい、リチャードが、だったら他の曲にしたら良かったのに・・と呟いた。
もうこのレベルになったら、もう義理と人情で曲を選んだりしたらダメだと反省。
これからは自分達が心からやりたいと思い、かつ音楽性や芸術性が高い曲を演奏していかなくてはダメだ。)



運営面では....
今回私はマリンバリサイタルと銘打ち、たかがマリンバリサイタルなのでチケットは売れないだろうと開き直り、全く集客には力を注ぎませんでした。あまり気にもかけなかった。
それよりも何も音楽に集中しなくてはと思ってた。又集客力あるスティ-ブガッドも直後にNYでガッドバンドのライブがあるので当てには出来ないとわかっていたし、何より長年のNY経験では、
いくらサイドマンが大物で有名でも、集客は不可能だということを過去の公演で実感していたのです。しかし何より今回は一つの集大成として、かかる経費を差し置いてもガッド&ゴメスで後半のグルーヴ曲を演奏したかった。

 ところが当日ステージに出たら沢山のお客様❣️

しかも満席近く埋まってたので驚きました⁉️
チックがFBとインスタで投稿シェアしてくれたのも大きかったかも?と感謝。



そして一番の驚きは、たかが私如きのマリンバリサイタルに、国連日本大使の別所様ご夫妻、川村大使ご夫妻そして日本総領事館の山野内大使ご夫妻、この方々を繋いで下さった10年来応援頂いている村瀬さん御夫妻初めとするNY日本人VIPが勢揃いでご来場下さったことです。

それに加えマイクマイニエリ氏ファミリー始めNY在住の著名な音楽家も沢山聴きに来てくれました。

本当に感謝感激でした。有難うございます。






考えてみると...この10回目のカ-ネギ-公演は、これまでで一番ドラマティックでかつ大盛り上がりだった。ステージ上からもお客様の興奮が伝わる、大きな大きなスタンディングオベーションが思いだされる。
 一番残念だったことは、唯一最後の曲の最後の最後で鍵盤の紐が切れてアンコールが出来なかった事

カーネギー公演は、これで最後だと思って臨んだのだけど・・



これは・・もう一回やれということ?!
もう一度やりたい!なんて・・思っている自分に呆れてしまいます。笑!

それに・・23日前パブリッシストから聞いた話
実は本番の1週間前にNYタイムズ紙の批評家が来るかも知れない・・と知らせが来てたということ?!しかし当日来なかった・・
という残念な話を聞き・・
次は?
という希望が出来た事も、再度チャレンジ思考に繋がってるかも知れません!

何はともあれ・・まだまだ頑張れ!と天からお告げが来た感じ!


又これから次のステップに向かって励みます。

カーネギー公演にご支援くださいました日本の大森実さん始めとする皆様方、
ご来場頂きました皆様方、本当に有難うございました。
心から感謝申し上げます。

裏方を手伝ってくれた友人達にも感謝してやみません。

先ず私のカーネギー公演は、慣れてる安倍ユカちゃんがいないと成り立たないのです。

今回舞台裏スタッフとしてお願いしたマユさんには写真撮影と色んな気配り、
そしてボストンからもケビンさんやアサコさんが駆けつけてくれ、
最後は一緒に楽器運搬車が来るのを1時間も外で待っててくれたこと本当に申し訳なく。。でもとっても助かりました。
素晴らしい友人達がいてくれることに感謝してやみません。
有難うございます!



感謝を込めて。
Love,MIKA

















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