レコーディング(パワーステーションNYC)

                                     photo by Lisa-Marie Mazzucco 
               
来日ツアーから帰国後
2週間の猛練習を突破して



730日ー81日まで3日間、
NYパワーステーションにおいて
今年2回目となるレコーディングをしました。
(今年はクラッシックとジャズの2枚のアルバムを制作しています。)




プロデューサー&エンジニアは前回と同じで
グラミー賞19回受賞しているスティーヴン・エプステイン。
エンジニアにはグラミー賞9回受賞のトッド・ホワイトロック。
スタジオ付きアシスタント・エンジニアにはAkihiro Nishimuraさんという日本人の方だったので細いことを通訳してもらったりで大変助かりました。感謝。



(参加ミュージシャン)

クラリネット:リチャード・ストルツマン

ドラムスティーヴ・ガッド

ベースエディ・ゴメス

パーカッション:デューク・ガッド

弦楽4重奏: Sybarite 5 (2日目)



ピアノ:丸山和範(初日)



バンドリン:アミルトン オランダ (3日目)





(録音した曲)

30
*チックコリア作曲
コンチェルトNo1 part3 
       (マリンバ、ドラム、ピアノ)

 *ガーシュイン作曲丸山和範編曲
ラプソディーインブルー
          (クラリネット、マリンバ、ピアノ、ベース)

31 
*チックコリア作曲Tim Garland編曲
スペイン 
  (マリンバ、クラリネット、弦楽4重奏、 ベース、ドラム、パーカッション)

 *ビルダグラス作曲 
リターン トゥ バイーア
 ( マリンバ、弦楽4重奏、ベース、ドラム、パーカッション)
          
  *M.サンタマリア作曲D.マシューズ編曲
アフロブルー (マリンバ、クラリネット、ベース、ドラム、パーカッション)

*ジュリースペンサー作曲
DJ Dog DemocKracy 
(マリンバ、ベース、ドラム、パーカッション)

1 
*Hamilton de Holanda 作曲 Vittor Santos編曲Tapereba
 (バンドリン、マリンバ、クラリネット、ベース、ドラム、パーカッション)

*ポールサイモン作曲Gadd編曲
50ways to your lover (上と同じ編成)


(経過)
初日は8時にマリンバ搬入して10時からサウンドチェック。


10時にピアノの丸山和範さん、10時半にスティーヴ・ガッドがスタジオ入りして11時くらいからレコーディング開始。



最初の曲は、前回オーケストラと録音したチックコリア作曲コンチェルトNo1 Part3マリンバ、ピアノ、ドラムでのトリオバージョン7分ぐらいにカットして、よりグルーヴィーなアレンジにチャレンジ!
チック本人から直接もらった、オケパートがピアノ版になっている譜面を使い丸山さんに弾いてもらいましたが、そのまま弾くのには到底無理があり⋯特にスティーヴがジャズ風に叩いたら、そのままの楽譜をグルーヴィーに弾くのは難しかったみたいで難航しました....

アレンジは私のアイディアをスティーヴに話しながらドラムパートを作ってもらいました。





それ自体は自分が頭で描いたようになった感があり私もそれに合わせて演奏出来て3時間の大変興奮するセッションになりました




しかしピアニストにとっては大変厳しかったので
結局..後からチック本人にオーバーダブしてもらおうか?!ということになりました。

しかし丸山さんのお陰で想像してたのが形(音)に出来て..トリオでのサウンドを確認する事が出来たので心から感謝しています。
(なかなかCoolで良かったので、やった甲斐がありました!)



初日後半は丸山和範編曲のラプソディーインブルー。丸山さんはこの為に東京からNYへ。


今回はピアノとクラリネットをメインにマリンバとベースでの、カルテットの録音となりました。

オリジナル編曲はピアノが無くてマリンバがピアノ部分を弾くバージョンでしたが、何回か本番やってみて⋯やっぱりこの名曲を、より聴きやすくする為にはマリンバは脇役に徹した方が音楽的に効果的だと実感...又プロデューサー的勘?!感覚で....クラリネットとピアノがソロイストとして録音することにしました。


ベースも入ったのでユニークなサウンドになりましたよ。

丸山さんのピアノソロも素晴らしく順調に3時間で録り終えました!

2日目(8月1日)



2日目は11時から弦楽4重奏を迎えて、マリンバとクラリネットが主役によるTim ガーランドの新しいアレンジでチックコリアスペイン”!
ベース、ドラムとパーカッションを加えて世界最高峰のリズム隊で演奏しました。
Timの編曲はとてもクリエイティブでCoolなのですが、演奏するのは大変難しいのでやり甲斐があり面白くもあります。完璧なアレンジ!

さすが!Timはチック本人が薦めたアレンジャーだけあり..何も変えずにそのまま演奏して録音出来ました。




次はビル・ダグラス新曲をクラリネットを除いた同じ編成で録音。
弦楽の人達が4時間しか拘束出来なかったのでスペイン録音後に1時間しかなくて....
とにかくマリンバは後でオーバーダブ出来るので、弦楽、ドラム、ベース、パーカッション
を確実に録りあげました。
(私のパートは9月末に録音予定。)



弦の人達が帰り休憩してからはバンドでのアフロブルー。
Davidマシューズさんから編曲してもらいました。最初にデモ音源を聴きましたが、誰もがちょっと譜面をそのまま演奏するのは長すぎるね..
と言い...半分ぐらいカットして録音することになりました。大堂のスイングジャズスタイルでしたが⋯私のグルーヴ感を皆口を揃えて褒めてくれて照れました!笑

ジャズFeeling が本物になったかのようで嬉しかったです。笑!


先日演奏しながら感じたのですが...やっぱりスティーヴ、エディの
リズム隊は最強で・・自分がもっと持ち上がる気がして気持ち良かった!一緒に演奏仕事始めて10年間の重みを感じました。
彼らとナチュラルにしっくり演奏できるようになったことは...
私の人生の達成感の一つだなぁ〜と。

この日最後の曲はマリンバとドラムの為に書かれたファンキーな曲でJスペンサー作曲DJ DOG DemocKracyをベースとパーカッションも入れて
録音。
マリンバ奏者が書いたのでかなり技巧的ですが・・
そう聴こえないようにテンポも落としてリラックスして演奏しました。

普通のマリンバ奏者の大半はマリンバ奏者が作曲したレパートリーを演奏しているのですが、私は何故かそういうものに興味がいかず・・
自分でレパートリーを見つけたり委嘱したりして演奏しています。

ただスペンサーの曲は作品としての深みは無いけれど、グルーヴ感が出しやすくメロディーも素敵なのでバンドで演奏しやすい利点があり・・
しかし楽譜そのままでは演奏出来ないので、弾きやすいように変えながら...又より良い音楽として聴けるように皆でアレンジする事でもジュリーさんは大らかなので助かります。だからか?彼女の作品は好きですね。
良いスピリッツがあります。

(スティーヴは私のグルーヴ音楽の師!)


この録音が終わってから明日ゲストで迎えるブラジル🇧🇷からのアミルトン オランダ氏と彼のマネージャーのマルコスを焼き鳥Tottoでハングアウトしました。

初めてのハングアウトで言葉が通じないと困るのでDukeも誘いました。笑!

先ずアミルトンもマルコスも驚くほど良い人達でびっくり!
ワインなども勧めたけど、明日はレコーディングなのでと一滴も飲まず⋯一緒にお茶。
それに私が毎日録音で疲れてるだろうと察してくれて短時間で切り上げてくれたのも本当に嬉しかった。話しをしてても本当に謙虚で温かく楽しく..断然翌日の彼とのレコーディングが楽しみになりました!(その日の疲れが吹き飛ぶぐらい感激したのを思い出す...)

最終日は朝8時から10時まで写真家Lisa Marie Mazzucco が来て写真撮影。




彼女自身がプロのヘアーメークアップアーティストでもあるのでヘアーメークアップ後...
今回は3回目の依頼...彼女はめちゃセンスが良くスタイリッシュなので彼女のポートレート写真だけはいつでも使えます。
10時半に他のミュージシャンも来て撮影。

11時からはスペシャルゲスト・アミルトン氏も
参加してレコーディング開始。


アミルトン の曲TAPEREBAからでした
スティーヴが、どういうグルーヴなのか教えてくれとしつこく...必死に習ってる姿が微笑ましく..
又知らない事を素直に学ぶ姿勢にも感動しました。(スティーヴでも知らないグルーヴがあることにも驚いた(笑!)
ブラジルのリズムは奥深いですね!








アミルトンはブラジルの民族楽器ショーロで使う
10弦マンドリン(バンドリン)の名手で色々なスタイルの音楽を全てハイレベルに演奏しています。
(私が彼の音楽を知った経緯は又次回に..)



Hamilton de Holandaアミルトンはブラジルでは知らない人がいないぐらい大スター!

私も一度リオで彼のショーに行き、本人にも会いましたがそれはそれは凄すぎてアメージングでした。
いつか共演したいという夢が早くも叶ったのです。

案の定...スタジオにいる人達は私以外..
アミルトンのこと知らなかったけれど...
今回彼の演奏や人柄に触れて皆...
相当感動していました!
なんだか。。惑星から音楽宇宙人がやって来たみたいだった....本当に。

実は今回彼がセントラルパーク公演に招かれてNYに来る事を知り、ダメ元でレコーディング参加を訪ねてみたのです⋯そうしたら何と喜んでと 
と返事が!

アミルトンとの録音は予想を遥かに超えるマジカルなセッションとなりました。




メンバー皆インスパイアされてどんどん良いサウンドになっていく様子は本当にアメージング。
私自身も演奏してて心が震えるくらい興奮しました。

なので本当は1曲だけ参加してもらう予定でしたが
次のポールサイモン50ways to your loverにも参加を頼み込み...見事なくらい素敵な50waysになりました!

この最終日に録ったクラリネット、マリンバ、バンドリン、ドラム、ベース、パーカッションでの2曲が多分このアルバムの極め付けになるような気がしています。早くミックスを聴きたい!




3日間の録音が終わりホッとする間もなく
私はこの日スタジオから夜中のフライトで韓国へ飛びました。

JFKに行く前に.....
今回のレコーディングをアシスタントしてくれたMayuさん、ビデオ撮影mikakoちゃんと一緒にご飯を食べましたが

レコーディングの興奮覚めずで食べ物が胃に入らなかったなぁ~と振り返ります。笑
手伝ってくれて本当に有難う!


それにしてもこの3日間のレコーディングが実現出来たのは...何と言っても日本にいるEさんとHさんのご支援のお陰です。総経費約$45千ドル以上かかるプロジェクトですので今回も前回のようにキックスターター(クラウドファンジング)しようかと悩みましたが
このお二人とリチャード3人が、3分の一ずつスポンサーしてくれたので成り立ったのです。
心からの大感謝です。
本当に本当に有難うございました。

しかし..まだあと1回レコーディングが9月末に残っているので....私も当分は何処にも行かず、無駄使いをせずに・・ありったけのお金を叩いて
しっかり最後までレコーディングをやり遂げるつもりでいます。




こうやって思いっきりやりたいレコーディングが出来ることに感謝しながら....
最後まで最高のアルバムを作れるように頑張ります!


最後にレコーディングの雰囲気をビデオで皆様へ。







感謝を込めて。LOVE,MIKA

PHOTO by Bill Zules and Mayu Irimajiri  
Video by Mikako Ishi 














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